日経平均株価が連日高値を付け、今週は最高値の更新を試す展開になりそうです。しかし、世の中は最高値を記録した34年前のバブル期とは、違った雰囲気となっています。
■株の学び直しも 史上最高値は「あと50円」
17日、新宿で開かれた株式投資スクールのセミナーには20歳から67歳まで、およそ20人が参加。連日の株高で、受講者の数も“上昇トレンド”です。
ファイナンシャルアカデミー 認定講師
山村欣孝さん
「(受講者は)昨年末と比べて1.6倍くらい。連日ニュースで株価がずっと最高値を更新しそうだと流れているので。株式投資っていいんだと思って、参加されている方が増えている」
30代と40代がメイン層ということですが、20代の女性や定年退職したバブル世代の受講者も増えています。
中には過去に投資に失敗したため、株を学び直したいという人もいました。
過去に投資信託で失敗 50代(医療関係)
「(過去の投資では)最初の数カ月でドーンとマイナスになっちゃったので。1000万円預けて、40万円(の損失)。これから先は自分で勉強してやっていきたい」
10年前に株で失敗 30代(専業主婦)
「子どもたちのためにも、たくさんお金を残してあげたい」
16日、日経平均株価は一時700円以上値を上げ、史上最高値まで「あと50円」となる3万8865円を付けました。
日本中で「あと50円」という言葉が飛び交い、東証には歴史的な瞬間を捉えようと、取材陣が集結。結局、この日は記録更新とはならず、“その瞬間”は持ち越されました。
■投資初心者も「500万円くらい勝った」
日経平均株価が史上最高値を付けたのはバブル経済真っただ中、1989年の年末です。
日本中が浮足立っていたこの時代。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた日本の経済がこのすぐ後、泡となってはじけ、「失われた30年」と言われる時代に突入するとは知る由もありませんでした。
あれから34年、日経平均株価が再び最高値に迫っています。現代の投資家たちは、今の流れをどう見ているのでしょうか?
17日、投資家たちが集まるバーに来ると、株の話が至る所から聞こえてきます。
投資家
「(日経平均株価)3万円からちょっと怪しいじゃないですか。きょうがテッペンだといつも思っている。さすがにきょうがテッペン」
この店では今年に入り、初心者の投資家が増えているといいます。
投資家バー STOCK PICKERS 今泉早人店長
「去年の暮れくらいから感じていて。新規参入される方は増えていると感じる」
情報収集に勤しむ投資初心者からは、景気の良い話も聞かれました。
投資歴3年 40代(建設業)
「今年はやっぱり、いいですね。コロナショックのあたりに買ったものが、今すごいプラスになってます」
投資歴2年 20代(アニメ関係)
「だいぶ勝ったと思います。500万円くらい」
■ベテラン投資家は「異常」 バブルはじける?
ただ、投資家の多くは今の日経平均の上昇を楽観視しておらず、“過熱感”を警戒する人が多数を占めています。
投資歴20年 40代(会社員)
「予想外の上がり方をしないで、着実に上がっていってほしい」
バブルで辛酸をなめた後、億単位の資産を築き、今年だけでも数千万円の利益を出しているという投資家はこう話します。
バブルを乗り越えた 50代 専業投資家
「(株価上昇の)スピードが速すぎて。投資ってよく言われる(年利は)3%、4%、5%なのに、(今は)1カ月、2カ月で20%。その短期的な上がり方は異常値なんですよ。バブルがはじけるかもしれない」
株価は34年前とほぼ同じですが、狂乱状態だったバブル期と比べて、投資家たちは静かに市場を見守っています。
(「グッド!モーニング」2024年2月19日放送分より)
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